医療の知識を学ぶための様々な項目
医療移送研究会での初めての挨拶
私が介護タクシーを始めた当時は、軽自動車を中心にセレナクラスの中型車までの車でしたので、もちろん本格ストレッチャーはなし、 せいぜいリクライニング車イス使用の文字通り「介護タクシー」と呼ばれる車イス中心(専門)の搬送業務でした。
その後、車も大型化が進み、私たちも勉強させていただき、また病院はじめ介護関係の方々の信頼も得られ、
必然的にストレッチャー搬送等の医療的搬送もするようになってきました。
また吸入酸素やの痰の吸引器を積んでいる車もあり、人工呼吸器の患者様を搬送できる装備を備える車輌を持った事業者もあります。
更に今では看護師が同乗し、車内での医療行為を実施しながらの「民間救急」と呼ばれるようなレベルの移送も行っている事業者の方もいます。
このように私達に信用・信頼が寄せられるような状況下で、特に病院や施設からは更にレベルアップした内容の搬送を求められております。
実際に病院からはある程度の重篤な患者様の搬送依頼を受けます。 その場合は病院側の医師また看護師の方々も我々を信頼してくれて頼むわけです。 当然そこには病室にお迎え後、さまざまな注意事項が看護師より伝えられることになります。
その言葉の中にはさまざまな医療用語、専門用語、隠語がはいってきます。
そのことを私達「搬送する側の人間」が全く理解できなかったら、
また医療用語として聞く耳すらもたなければ相手方は非常に不安そして不満に思うことではないのでしょうか?
私も以前、東京の国立病院にお迎えにいき担当看護師さんから今日の患者様の血圧等の情報を告げられたことがあります。
しかし私には「聞いたところで何をするの?」という感じで言葉の意味も理解することができませんでした。
結果として相手も心配になるのは当たり前、更には私をただの運転手、運送業者くらいにしか見てくれていないと思います。
運送業の運転手さんでさえ、「割れ物」「精密な機械」など品物に対する気配りがあると思いますが、 私たち介護タクシーが運んでいるのは「物」ではなく「人間」だということをもう一度考え勉強する必要があるのではないかと考えます。
皆様の中でも日々の仕事の中で、医療従事者から、色々な注意点、申し送りを受ける事があったことと思います。
もし一度も何もいわれたことのない方がいたら、それは「医師以上に全ての知識を持ち合わせ、
よっぽどの全幅の信頼をいただいている」もしくは「どうせ話したところで運転手だから理解できないに決まっている」このどちらかであり、
今現在は間違いなく後者だと思います。
もちろん多少の知識を得たからといって私たちドライバーほとんどの方が医師、 看護師の資格ならびに知識を持ち合わせているわけではありませんので実際の医療行為に及ぶことは出来ません。
病院関係者様より申し送られた患者様の症状、身体状況をより理解することで、患者様の搬送時の「苦痛」を和らげる責任があります。
「より安全・安心される移送グループを目指すためにも患者様他関係者様の期待に応える」その責任のためにグループドライバー全員の意識の改善、 知識の吸収等を通して個人個人のレベルアップが必要となることは言うまでもありません。
この「医療移送研究会」では看護師様・ソーシャルワーカー様他医療従事者様からの講義で知識を吸収させていただき、 また実際に行われた搬送事例等を通して皆様全員と考え検討していける場となることを期待します。